この記事で解決できる悩み
- USCPA受験は大学卒業している必要ある?
- どの州で受験するべき?
- USCPAライセンスを取るための要件は?
- どの州でライセンスを取るべき?
USCPAの受験要件やライセンス要件って州によってバラバラで理解するのがたいへんです。
分かります。基準が各州で異なるだけでなく、「受験」と「ライセンス取得」の条件が違うということも混乱しますよね。当ブログで早見表をつくってみました。
USCPA(米国公認会計士)試験はどのような受験資格があるのでしょうか。
受験資格は、主に大学での取得単位です。
各州が要求する単位を履修済みでないと、受験する資格がもらえません。
また受験資格と合わせてライセンス要件、つまりUSCPAと名乗ることができる条件、も気にする必要があります。
受験要件の単位数は少ないけどライセンス取得に多くの単位が必要、という州がたくさんあります。
本記事は2023年1月現在の情報を元に作成しています。
前提
USCPAの試験やライセンス付与は原則州ごとに運営されています。
日本の公認会計士試験のように国が管理していません。
各州で受験要件やラインセンス要件が異なるのがUSCPAです。
本記事の信頼性
- 「USCPA受験の疑問に答えるブログ」管理人
- USCPA(米国公認会計士)試験に6回不合格、10年挑戦して全科目合格を達成
- 米国BIG4勤務経験あり
- 米国会計大学院卒
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目次
USCPA受験要件とライセンス要件のポイントまとめ
まずは各州の受験資格とライセンス要件の概要を見てみましょう
受験のための条件
まずはざっくり各州の受験要件のポイントをまとめてみます。
- 会計系の単位が15~24単位履修済みかどうか
- ビジネス系の単位が24単位履修済みかどうか
- 総取得単位が120単位以上かどうか
上の3つを全て満たすとほとんどの州で「受験」が可能です。
詳細は後述しますが、受験要件が一番ゆるいのはアラスカ州。
モンタナ州は会計単位とビジネス単位はしっかり取得済みの必要ありますが、卒業見込みがなくとも受験可能な点が特徴です。
その意味でモンタナ州も出願のハードルが低いと言って良いです。
下記の一覧は、日本人が比較的受験しやすい州や馴染みのある州の受験要件のまとめです。
見やすさを優先するために細かい注釈は省いていますので注意してください。
次の章から各州の受験要件を個別に説明していきますので、必ずそちらも確認してください。
会計単位 | ビジネス系単位 | 総単位 | 日本受験 | 卒業前受験 | 4年生大学学位 | |
アラスカ | 15 | 規定なし | 規定なし | 可 | 可 | 結局必要 |
グアム | 24 | 24 | 規定なし | 可 | 可 | 結局必要 |
ワシントン | 24 | 24 | 150 | 可 | 可 | 結局必要 |
モンタナ | 24 | 24 | 規定なし | 可 | 可 | 不要 |
メイン | 15 | 規定なし | 120 | 可 | 可 | 結局必要 |
ハワイ | 18 | 規定なし | 120 | 可 | 不可 | 必要 |
カリフォルニア | 24 | 24 | 規定なし | 可 | 不可 | 必要 |
ニューヨーク | 12 | 規定なし | 120 | 可 | 可 | 必要 |
ライセンス取得のための条件
さて「ライセンス要件」になるともう少しハードルを上げてきます。
ライセンス要件とはUSCPA全4科目を合格したうえで、追加の単位要件や実務要件をクリアした後にようやく申請できるUSCPA(米国公認会計士)資格のことです。
ライセンス を付与されないとUSCPAと名乗ってはいけません。
「受験資格」で総取得単位120またはそれ以下で良いよ、と言っている州が「ライセンス資格」では150単位以上無いとダメよ、とするケースがよくあります。
ライセンス資格についてはどの州がゆるいというのは無さそうですが、しいて言えば倫理試験合格が要件になっていないグアム、ワシントンあたりが少しだけ易しいと考えられるかも。
倫理試験 | 会計単位 | ビジネス系単位 | 総単位 | 実務経験 | |
アラスカ | 必要 | 24 | 9 | 150 | 2,000時間 |
グアム | なし | 24 | 24 | 規定なし | 1年または2年 |
ワシントン | なし | 24 | 24 | 150 | 2,000時間 |
モンタナ | なし | 24 | 24 | 150、要卒業 | 規定なし |
メイン | なし | 15 | 規定なし | 150 | 2年 |
ハワイ | なし | 24 | 24 | 150 | 1,500時間または2年 |
カリフォルニア | 必要 | 24 | 24 | 規定なし | 12か月 |
ニューヨーク | なし | 33 | 36 | 150 | 1年 |
アラスカ州
アラスカ州の特徴は、受験資格がもっともゆるいこと
受験資格
単位要件:
・会計15単位
・ビジネス単位取得数規定なし
・総取得単位数規定なし
日本受験:可
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:結局必要
卒業(学位取得)前から受験することは可能ですが、初受験を申請する時点で4年生大学卒業までに残り18単位以内でなければなりません。
ライセンス資格
・倫理試験合格
・会計単位24
・ビジネス法、経済学、数学、コンピューターサイエンスから9単位
・総取得単位数150
・2,000時間のUSCPAの下での実務経験
グアム
グアムの受験資格には総取得単位の規定がないのはありがいたい
受験資格
単位要件:
・会計24単位
・ビジネス24単位
・総取得単位数規定なし
日本受験:可
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:結局必要
上記の単位要件が満たしていなくとも、受験申請から18か月以内に単位取得見込みである場合は受験可能。卒業までに科目合格した場合は「暫定スコア」が付与されます。18か月以内に単位要件を満たせない場合は「暫定スコア」は無効に。
ライセンス資格
・総取得単位が150以上の場合1年の会計実務経験
・総取得単位が150以下の場合2年の会計実務経験
ワシントン州
ワシントン州は卒業前に受験可能。受験資格はけっこう厳しい。
受験資格
単位要件:
・会計24単位(うち15単位はUpper Level)
・ビジネス24単位
・総取得単位150
日本受験:可
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:結局必要
上記の単位要件が満たしていなくとも、受験申請から180日以内に卒業(4年生大学学位取得)見込みであれば受験可能。180日以内に卒業できなかった場合科目合格は無効に。
ライセンス資格
・2,000時間の会計実務経験
モンタナ州
モンタナ州は受験資格に学位が必要ないことが特徴
受験資格
単位要件:
・会計24単位
・ビジネス24単位
・総取得単位数規定なし
日本受験:可
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:不要
ライセンス資格
・4年生大学卒業(学位取得)
・総取得学位150
モンタナ州は受験だけであれば4年生大学の卒業資格は必要ないし、「XXか月以内」に卒業見込みでなければいけない、という規定もありません。その意味でおもしろい州。
しかしライセンスを得るには学位が必要となります。
メイン州
メイン州は会計単位と総取得単位の要件が比較的小さいのが特徴
受験資格
単位要件:
・会計15単位(うち3単位は監査)
・ビジネス単位規定なし
・総取得単位120
日本受験:可
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:結局必要
上記の単位要件が満たしていなくとも、受験申請から120日以内に卒業(4年生大学学位取得)見込みであれば受験可能。卒業前にスコア開示されない。120日以内に卒業できなかった場合は合格は無効に。
ライセンス資格
・総取得単位150
・USCPAとして登録された法人にて、USCPAの上司の下で2年の実務経験
ハワイ州
ハワイ州は受験資格もライセンス要件も割と厳しい
受験資格
単位要件:
・会計18単位(全てUpper Level)
・ビジネス単位規定なし
・総取得単位120
4年生大学卒業前の受験:不可
4年生大学学位取得:必要
日本受験:可
ライセンス資格
・会計24単位(うち18単位はUpper Level)
・ビジネス24単位
・総取得単位150
・正社員として1,500時間の監査実務経験、または監査法人、税理士法人、一般事業会社、政府での2年間の実務経験
カリフォルニア州
カリフォルニア州は、州独自の倫理試験をパスしないとラインセスが取得できない
受験資格
単位要件:
・会計24単位
・ビジネス24単位
・総取得単位数規定なし
4年生大学卒業前の受験:不可
4年生大学学位取得:必要
日本受験:可
ライセンス資格
・倫理試験合格
・USCPAの上司の下で12か月の実務経験
ニューヨーク州
ニューヨーク州のライセンス要件は比較的厳しい
受験資格
単位要件:
・会計単位数規定なしだが次を履修済みの必要有り|Financial Accounting(Upper level)、Cost Accounting、Tax、Audit(Upper level) → つまり実質12単位(3単位x4科目)
・ビジネス単位規定なし
・総取得単位120
4年生大学卒業前の受験:可
4年生大学学位取得:必要
日本受験:可
ライセンス資格
・会計単位33
・ビジネス単位36
・総取得単位150
・USCPAの上司の下で1年の実務経験
日本の受験生におススメの州
受験だけを考えるとアラスカが最も受験要件がゆるいです。
次点で総取得単位数の規定がないグアム、モンタナでしょうか。
総取得単位数が120と規定しているが会計とビジネスの単位数の規定がゆるいニューヨークも狙い目です。
しかしライセンス要件まで考えればどこも似たりよったりという印象。
ライセンス要件でハードルが高いのはニューヨークとカリフォルニアの印象。
モンタナ州だけは卒業見込みが無くても受験させてもらえるので、日本の大学で計48単位(会計24、ビジネス24)取得していれば、受験だけは先にスタートできるということになります。
4科目合格した、という実績だけ欲しい方がもしいればモンタナ州が一番早い。
日本の大学の単位認定
アメリカ以外の大学で取得した単位が本当にUSCPA試験の要件を満たすかどうか、履修した単位について評価(エバリュエーション)を受けなければいけません。
評価する機関はNASBA International Evaluation Servicesと言います。
評価プロセスはオンライン化されているとは言え、大学の講義名の英訳にそれらしい単語(Aduti, Financial Accounting, Business Law, Taxation等々)が含まれていなかったり、英文のシラバスが十分に整備されていなかったりすると単位認定を受けるのが難しなってくるようです。
USCPA予備校の付加価値は単位取得?
このように受験要件やライセンス要件を満たすには多くの単位を取得している必要があります。
日本の大学の単位が必ずしもすんなり認定されない可能性があることを考えると、TACやアビタスが提供する単位取得コースの重要性がわかります。
アメリカの大学で学位を取得した私から見て、あの費用で30~50単位近く取得できるのはかなりコスパ良いです。
日本だと例えばテンプル大学ジャパンキャンパスがありますが、あそこで会計3単位を取得しようと思ったらいったいいくらでしょうか。10万円弱でしょうか。
すると30単位で100万円近く。
テキストや問題集がメルカリで入手可能なことを考えると、USCPA予備校の真の付加価値は安価な単位取得サービスかもしれません…。