USCPA試験の勉強法

USCPA(米国公認会計士)試験に必要な英語力。英語が苦手な人はどうする。

2022年1月29日

この記事で解決できる悩み

  • USCPA(米国公認会計士)に興味があるけど英語が苦手
  • USCPA試験に必要な英語力を知りたい
  • 会計・簿記は得意だけど、英語が苦手なわたしに勝算ある?

受験生

英語が苦手です。こんなわたしはUSCPAをあきらめた方が良いでしょうか?

りくぞう

いえいえ、そんなことはありません。USCPA試験に必要な英語力を考えてみると、そこまでのレベルは求められていないことに気づきます。

本記事の信頼性

ブログ管理人
りくぞう
  • 「USCPA受験の疑問に答えるブログ」管理人
  • USCPA(米国公認会計士)試験に6回不合格、10年挑戦して全科目合格を達成
  • 米国BIG4勤務経験あり
  • 米国会計大学院卒

USCPA試験の勉強をはじめる前までは、わたし自身も「英語のリーディング苦手だから大丈夫かな?」と思っていました。

しかし、実際の試験勉強や全科目合格の経験をとおして、そこまで高いレベルの英語力は必要ない、ということがわかりました。

この記事では、次のようなことがわかります。

  • USCPA試験に合格するために必要な英語力はどれくらいか
  • 英語が苦手な受験生におススメの勉強法

本記事では、USCPA試験に必要な英語力は「問題文の論点(何を問うているか)に気づく英語力だけでいい」、いちばん難しいパートである「論点の学習・理解」は日本語教材に頼るので英語力は関係なし、ということを伝えています。

また、BECのライディング問題に対応する英語力についても、BECの配点を考えたらビビることはない、最低限の「テクニック」でのりきれる、ということを伝えています。

USCPA試験で必要な英語力

USCPA試験に必要な英語力はすばり、

論点に気づく英語力だけ、です。

問題文は何を答えさせたいのか、に気づきさえすれば、それ以上の英語力は必要ありません。

たとえば、こんな問題があったとします。

あなたが商業ビルの大家さんだとして、入居者から(From tenants)の前払い家賃(Unearned Rent)は財務諸表(Financial Statements)のどこに計上される?

この問題に正答するためにもっとも重要なことは、

入居者からの前払い家賃 → 負債!

という思考ができること。

必要な英語力は、From tenants(入居者から)、Unearned Rent(前払い家賃)、Financial Statements(財務諸表)というキーワードをちゃんとキャッチできること。

りくぞう

だけど、これらのキーワードをとらえるために必要な英語力ってそんなに高くないですよね?

重要なのは、論点に気づくこと、その回答を導き出せるくらいちゃんと勉強できている(十分に習熟している)こと、です。

USCPA試験に「Unearned Rent(前払い家賃)」ってそんなに出てこないですが、もし出題されたら、たいてい「前払い家賃は負債!」が論点です。

つまり、試験においては論点となるキーワードをキャッチできる程度の英語力でゴリ押しできる。

本命本丸は、論点をつかむこと、論点に的確に答えるために十分に習熟していること、なのです。

そして、

論点の理解・勉強は、日本の予備校テキストに頼るので、英語は必要ないのです。

おススメ勉強法

  • テキストはかならず日本の予備校のものを使う
  • 洋書のテキストは絶対に使わない

日本の予備校のテキストは超優秀です。

わたしのようにコストをケチって洋書のUSCPA教材だけで突破しようとすると、かなりの英語力が必要です。とくにAUDとREG。

英語が苦手な人におススメの勉強法

英語が苦手な人は下記を覚えておいてください。

日本の予備校テキスト超優秀、アメリカの野生教材(洋書)には手を出すな

アビタス、TACのテキストと問題集はとてもていねいに日本語で論点を解説しています。

アビタス、TACに頼るかぎり、受験生の英語力はそこまで必要ありません

私の話をひとつ。

  • 教材費をケチって無料教材(CPA Review for Free)を使ってる時期があった
  • 無料でなんとBECとAUDの科目合格を達成した
  • しかし両科目とも数回不合格を経験した
  • 無料教材で2科目合格するのに1年かけた
  • しかも2科目とも76点のギリギリ合格

なぜこんなに時間がかかって、かつギリギリの合格だったかと言うと、論点の理解が甘かったからです。

問題を間違える → 英語で解説を読む、を繰り返していましたが、解説の英語が分からないから、グーグル検索で出てきた野良記事を読む、という流れ。

この方法の場合、論点を自分のなかで腹おちさせるには、かなり高い英語力が必要でした。

TOEIC換算600~700点では全く足りないです。

りくぞう

この調子では、本命のFARとREGは3年かかるぞ…という感触でした

時は流れて、2020年にようやくアビタスのAUDテキストに初めて出会います。

アビタスのテキストで自分がどれだけAUDの論点の理解が甘かったか、を思い知らされました。

洋書って安いです。CPA Review For Freeは無料、Wileyのオンライン問題だけであれば1科目$150=4科目$600と格安。

しかし、こうした野生教材(洋書)を使いこなすには相当の英語力を覚悟しましょう。

おススメ勉強法

テキストは思考停止でアビタス。百歩ゆずってTAC。

アビタスとTACの公式見解

USCPA試験に必要な英語力について、予備校はどういう考え方をもっているのでしょう?

アビタスとTACのFAQで公式見解が掲載されています。

まずはアビタスから。

アビタスFAQ「英語力はどのくらい必要ですか?」

Q 英語力はどれくらい必要ですか?

A 洋書を使用すればTOEIC800点以上、当校のオリジナルテキストを使用すればTOEIC400~500点レベルから合格可能です。

実際の試験問題は選択式の客観テストが80%強を占める上、問題文も比較的ベーシックな英文法で書かれていますので、会計用語をマスターすれば十分に読解可能です。

実際には試験そのものよりも、学習の際に会計コンセプトを日本語で学べるか、英語で学ぶかで必要となる英語力が大きく違ってきます。

アビタスFAQ「英語力はどのくらい必要ですか?」

TOEIC400点で合格可能と豪語。

少し鼻息荒い気がします。

でもTOEIC400点は高卒レベルだと思うので英語の基礎は習熟済み。

で、あればギリ行けるかも…。

次はTACの見解です。

TAC FAQ「英語力に不安があるのですが、大丈夫ですか?」

質問
[USCPA試験に関する質問] 英語力に不安があるのですが、大丈夫ですか?

回答
U.S.CPA試験で必要な英語力は、「読む力」と「書く力」です。
英語力で即座にイメージするのはTOEIC、TOEFL、英検などでしょう。
こうした試験で出題されるのは、難解な語彙や文法項目などです。

一方、U.S.CPA試験の問題は比較的シンプルな英語で書かれています。
専門用語以外には難解な語彙や文法項目は出てきません。

本科生コースで使用するTACテキストには分かりやすい日本語解説
及び章ごとに英日対訳専門用語リストが付いており、
英語力に不安がある方でも無理なく学習を進めることができます。

なお、BECの出題形式としてWritten Communication(記述式問題)があります。

本科生コース・Becker30コースにはWritten Communication対策総まとめ講義が
含まれていますので、記述式問題対策も万全です!

TAC FAQ「英語力に不安があるのですが、大丈夫ですか?」

アビタスほど具体的な基準を示してはいませんが、英語力に自信が無くても無理なく学習できます、とのこと。

予備校はより多くのひとに教材を買ってほしいので、英語が苦手でもだいじょうぶですよ~、というポジショントークになりやすいです。

そこを割り引いて考えると、TOEIC 600~700点あれば準備OK、と考えるべきです。

BECのライティング問題

USCPA試験のBECでは作文があります。

Writing Communication(WC)パートです。

WCの得点はBEC試験全体の15%。

仮にWCパートを全部落としたらのこりは85%です。

MCとTBSを仮に9割正答したとすると理論上は76.5%でギリギリ合格。

この15%を大きいと感じるか、小さいと感じるか、は人によるかもしれません。

りくぞう

私は正直小さいと感じていました。そのためWC対策は最低限。

WCは捨てる、とまでは言いませんが、15%のうち5%取れたらよしとする、くらい。

WCはかならず3問出ます。

3問のうち1問は採点されません。

りくぞう

2問で15%の配点 → 1問あたり7.5%

1問あたり1点でも取ればなんとか足しなるやろ、という気持ちでのぞみました。

また、WCは対策が立てやすい、というか、数えるほどしか対策方法がない、と思います。

詳細は別の記事にしたいと思いますが、WCの対策ってこれくらいしかないんですよね。

WC対策

  1. 全体の構成をととのえる
  2. 段落ごとに適切な接続詞をつかう
  3. ビジネスメールに適した言いまわしを暗記
  4. BECの論点をきちんと習熟する

1と2はTOEFLの作文対策と同じ。

つまり、以下の構成で文章を書きます。

  • Introduction (導入と結論)
  • Body1 (結論の説得力をたかめる具体例1)
  • Body2 (結論の説得力をたかめる具体例2)
  • Body3(結論の説得力をたかめる具体例3)
  • Conclusion(もういちど結論)

BECでは、かならずしもBody(具体例)を3つあげる必要はないかもしれません。

ただ、この構成が基本であることはまちがいありません。

上記の各要素は段落で分けられますが、段落の最初に適切な接続詞を使えば、この時点で1点くらいは取れるのではないでしょうか?

りくぞう

全体の構成、各段落の最初に適切な接続詞で1点ゲット!はすこし楽観的かもしれませんが、0.5点くらいはもらえるのでは。

3については、たとえば、「Thank you very much for giving me this opportunity to explain about XXX」みたいなフレーズ。

導入の部分で使えます。

1~3は、つまり、暗記に頼ることができる。

4は身も蓋もないです。

WCの得点のおおきな部分は、当然ですが、質問にたいして適切な回答ができているか。

論点にたいして適切で十分な量の情報を回答するには、その分野に習熟していないといけません。

これはWCに限らず、MC(四択問題)やTBS(総合問題)もおなじですよね。

りくぞう

結局、WC対策の相当部分は、MCやTBS対策をとおしてカバーできている。

まとめ

私の見解は、日本語教材を使うのであればTOEIC換算600~700点あれば準備OKだと思います。

私のように予算をケチって英語の野生教材(洋書)を使う場合は、相当の労力を覚悟すべきです。

BECのライティング問題については、もちろんある程度の英語力は必要ですが、BEC全体の15%しか占めない。英作文のてにをはを訓練すれば十分対応可能です。

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