USCPAライセンス

USCPA(米国公認会計士)の受験資格ダルすぎ?会計系のグローバル資格はUSCPAだけじゃない!

2021年11月9日

この記事で解決できる悩み

  • USCPA(米国公認会計士)の受験要件のハードルが高すぎ。他におすすめの国際資格はないか?
  • 会計に関する国際資格ってUSCPA以外はあるのだろうか?
  • USCPAのほかにも「会計×英語」を伸ばせる資格って?
受験生

USCPA試験の単位要件がたいへん。会計コア科目○○単位や総単位数〇〇単位など…。 ほかにグローバルに通用する資格ありますか?

りくぞう

たしかに受験までのハードル高いですよね。いちど資格を取ればそれが参入障壁になるんだけど、これからの人にとってはダルい。

USCMA(米国公認管理会計士)やEA(米国税理士)があります。会計から外れるけど、CFA(米国証券アナリスト)もあります。USCPAほど受験資格が厳しくないです。

USCPAは受験させてもらうまでが大変です。

ほとんどの州で会計コア科目15~24単位、ビジネス系科目24単位、総取得科目120単位以上が求められます。

USCPA以外に何かグローバルな会計系の資格はあるのでしょうか?

USCPAほど受験資格が厳しくない資格はあるのでしょうか?

そんな時は、USCMA(米国公認管理会計士)やEA(米国税理士)を考えても良いかもしれません。

また、会計ではなく金融の資格になりますがCFA(米国証券アナリスト)もあります。

本記事の信頼性

ブログ管理人
りくぞう
  • 「USCPA受験の疑問に答えるブログ」管理人
  • USCPA(米国公認会計士)試験に6回不合格、10年挑戦して全科目合格を達成
  • 米国BIG4勤務経験あり
  • 米国会計大学院卒
  • 米国税理士(EA)
  • 米国証券アナリスト(USCFA)試験レベル1チャンレジ経験あり

USCMA(米国公認管理会計士)とは

USCMAは米国のIMAが運営するCertified Management Accountantという資格です。

日本語では米国公認管理会計士と呼ばれます。

管理会計とは例えば予算管理原価管理に代表されます。

例えばUSCPAが就く代表的な職種である監査は外部から企業の財務会計をチェックするのに対し、企業の中の人が取り扱う会計が管理会計です。

またUSCPAは過去の数字である財務会計を取り扱うのに対し、CMAは未来の数字を扱うと言っても良いかもしれません。

来期の原価がいくらになるか、などがCMAの領域ですから。

CMAが活躍する部署は経営企画や原価計算や予算管理を扱う経理チームです。

USCMAの受験要件

USCMAの受験要件は「4年生大学卒業」です。

とは言っても受験申請時に大学卒業を証明する必要はありません。

合格後7年以内証明書を提出すればよいことになっています。

下記はCMAの主催機関であるIMAのHandbookから抜粋。

To become a certified CMA, candidates must satisfy one of the following education
requirements and submit verification of education to ICMA within seven years of
completing the CMA examination.

CMA試験に合格してから7年以内に提出すれば良いと書いてあります。

つまり大学卒業前に受験が可能なのです。一番遅くて7年後に卒業していれば良いということになります。

また、個別の単位要件はありません。つまり文学部卒でも体育学部卒でもCMA試験は受けることができます。

USCPAのような会計科目、ビジネス科目、総取得科目数などの単位要件はなし

受験時に実務経験がある必要もないです。

USCMA試験

CMA試験は2科目から構成されます。

  • パート1:Financial Planning, Performance and Analytics(財務計画、業績管理と分析)
  • パート2:Strategic Financial Management(戦略的財務管理)

USCPAのBECの発展系というイメージですね。

パート1、2ともに4時間の試験で、四択と作文で構成されます。

四択は計100問。制限時間は3時間。

作文は全2問。1問あたり30分の時間制限があります。

四択問題に50%以上正解しないと作文に進むことはできません。

試験は500点満点で360点以上で合格です。

点数は受験生全体の結果に合わせて補正されます。

試験結果は、作文の採点があるため試験終了直後には出ません。

試験結果の通知は約6週間。

受験会場はお馴染みプロメトリックで東京お茶の水か大阪中津の2カ所です。

試験日は2022年1月現在、1~2月、5~6月、9~10月の期間で予約できます。

受験にかかる費用は最初の申請料$215、各試験の受験料$415。

CMAライセンス

CMA資格(ライセンス)の取得はおおまかに下記が必要です。

ライセンス申請後にIMAからCMA Certificate(CMA資格証明書)が届き、晴れてCMAと名乗ることができるようになります。

ライセンスを取ったあとはUSCPAと同じく継続教育(Continuting Education:CE)に気を付けなければいけません。

毎年30単位以上のCEを履修しなければいけません。

30単位のうち最低2単位は倫理科目である必要があります。

EA(米国税理士)とは

EAとはEnrolled Agent(米国税理士)のことです。

日本の国税庁にあたるアメリカのInternal Revenue Service (IRS)が運営する米国税務プロフェッショナル資格です。

USCPAほど広範な知識をカバーするわけではなく、米国税務に特化した資格です。

日本でこの資格がダイレクトに生きるポジションは米国税務を扱う部署、つまりBIG4かUSに拠点を持つ中堅事務所の日本支店でしょう。しかし年がら年中募集しているポジションでは無さそうです。

米国税務ではなく移転価格で探した方が求人は多いと思います。

EAの受験要件

EA試験を受験するための資格は二つだけです。

  1. 18歳以上であること
  2. PTINを取得していること

PTINとはPreparer tax identification numberの略で、自分以外の納税者の確定申告作成を代行する場合必ず取得が必要な番号です。

PTINの取得にはIRSの英語のウェブサイトから行う必要がありますが、難しいことはありません。

PTIN取得時および毎年の維持に費用がかかります。2022年1月現在の年間費用は$35.95です。

学歴要件はありません。

中卒でも高卒でもOK。

EA試験

EA試験は3つパートから構成されています。

  • Individuals(個人税務)
  • Business(法人税務)
  • Representation(税務代理業務および諸手続き)

各試験の制限時間は3.5時間、全100問の4択問題です。

試験会場はプロメトリックになりますので、東京か大阪のどちらかです。

各科目の受験料は$185です。

EAは日本の税理士試験と比べると嘘みたいな難易度です。

EA全科目合格に必要な勉強時間は、私の場合は120時間でした。

EAライセンス

EAのライセンスを取得するためにはEA試験全3科目合格後にForm 23という申請書を提出するだけです。

どの国に居住していても問題ありません。

資格維持はやはり継続教育(Continuting Education)の要件があります。

3年間で72時間、1年間に最低16時間、1年間に最低2時間の倫理科目という要件です。

USCFA(米国証券アナリスト)

CFAとはCharterd Financial Analystの略であり、米国の証券アナリストの資格です。

資産運用プロフェッショナルに与えられる資格です。

証券会社や年金基金、投資ファンドのトレーダーの仕事が該当します。(証券営業やM&A業務とは少し性格が異なります)

CFAの独占業務があるわけではありません。

つまり「づけ」のための資格となります。

米国の資格なので、主な受験生や有資格者はアメリカ人と予想されますが、日本の証券会社や生命保険の運用畑の方たちもけっこうこの資格持ってます。名刺に書いてあります。

わたしがアメリカの大学生のころは投資銀行(=証券会社)がかがやいていました。

当時のわたしも金融業界に興味を持ちCFAの勉強をしたことがあります。

レベル1の勉強をしましたが、試験を受けることなくフェードアウトという結果に。

CFAの受験要件

CFAの受験要件は下記からひとつ満たせば良いです。

  • 4年生大学卒業
  • 実務経験4,000時間

実務経験は金融業界である必要はないです。どの業界でもOK。

また、大学卒業までにのこり11か月を切っていれば、大学卒業の前から受験できます。

CFA試験

CFA試験は3つから構成されます。

  • レベル1
  • レベル2
  • レベル3
試験レベル試験時間問題数問題形式
レベル1合計4.5時間
前半2時間15分
後半2時間15分
合計180問
前半90問
後半90問
四択問題
レベル2 合計4時間24分
前半2時間12分
後半2時間12分
88問 選択問題
レベル3合計4時間24分
前半2時間12分
後半2時間12分
8~11問 エッセイ(作文)と選択問題の混合
USCFA(米国証券アナリスト)試験の構成

CFA試験の出題範囲は広いです。下記のトピックがレベル1~3で出題されます。

  • Ethical and Professional Standards
  • Quantitative Methods
  • Economics
  • Financial Reporting and Analysis
  • Corporate Finance
  • Portfolio Management
  • Equity Investments
  • Fixed Income
  • Derivatives
  • Alternative Investments

こうして見るとBECとFARがまざったような出題範囲ですね。

とくに金融商品の価値の計算は重点的に勉強する必要があります。

試験会場はプロメトリックですので東京と大阪の2カ所です。

CFAライセンス

CFA資格を得るには下記を満たす必要があります。

  • 3つの試験を合格する
  • 4,000時間の実務経験(投資関連業務等)
  • 2~3名のレファレンスレターの提出

実務経験は投資関連業務である必要があります。投資関連業務に会計士やコンサルも含まれるようです。

まとめ

USCPA以外のグローバル資格を3つ見てきました。

それぞれ資格の概略を下記のようにまとめてみました。

資格受験要件試験科目資格要件
CMA(米国公認管理会計士)4年生大学卒業2科目2科目合格、実務経験証明書の提出
EA(米国税理士)18歳以上、PTIN取得3科目3科目合格、Form 23の提出
CFA(米国証券アナリスト)4年生大学卒業、または4,000時間の実務経験3科目3科目合格、実務経験4,000時間、レファレンスレター
USCPA以外の国際資格まとめ

これらの資格は純粋な会計資格とは異なるかもしれません。

特にCFAは証券アナリスト資格なのでこのブログの読者の方々には興味が無いかもしれません。

でもUSCPA以外にもこのようなグローバル資格が存在し、USCPAより受験資格がゆるい、ということを知っておけばどこかで話のタネになるかもしれません。

りくぞう

わたしはEAは全科目合格、CFAはレベル1を勉強(受験せず)しました。

受験生

それぞれの印象は?

りくぞう

EAはとにかく簡単。CFAはすごく大変。CFAは4~5年経験してマネージャーまでもう少しという資産運用の実務経験者を受験生として想定していると思います。

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