この記事で解決できる悩み
- USCPA試験を受けるには学歴審査が必要って聞いたけど、なにそれ?
- 学歴審査ってめんどくさそう…どうやるの?
- 学歴評価ってどれくらい費用や時間がかかるか知りたい!
USCPA受験のわりと早々に「学歴審査(学歴評価)」という単語を聞くことになります。
学歴審査ってなに?
と疑問に持つ人も多いでしょう。
本記事では学歴審査のやり方をだれにでもわかりやすく説明します。
この記事を読み終えたら、USCPA試験全科目合格にまた一歩、着実に、近づきます。
本記事の信頼性
- 現役のUSCPA(米国公認会計士)
- USCPA(米国公認会計士)試験に6回不合格、10年挑戦
- 苦しみぬいた末、勉強方法を変えたところ全科目合格を達成
- 米国BIG4勤務経験あり
- 米国会計大学院卒
学歴審査って?
米国以外の大学の学位・単位を評価することを学歴審査と言います。
USCPA試験を受けるには規定の学位や単位を履修している必要があります。
アメリカだけでなく、さまざまな国の人たちがUSCPA試験を受けるので、海外(アメリカ以外)の大学の学位・単位を評価し、USCPA受験の規定に満たしているかどうか審査するのが「学歴審査(Education Verification)です。
あなたが取得した日本の大学の学位や単位も、学歴審査を通して、USCPA受験の規定を満たしているかどうか評価されるわけです。
少し先のはなしになりますが、全科目合格後にライセンスも取得したい!という場合も学歴審査を通してライセンス条件を満たしているかどうかが確認されます。
学歴審査にたいしてあなたが取らなければいけないアクションは2つ。
- 学歴審査機関への申し込み
- あなたの出身大学から卒業・成績証明書の取り寄せ
この2つをもう少し詳しく見ていきましょう。
学歴審査ってどうやるの?
学歴審査の具体的な進め方と費用について解説します。
学歴審査機関
学歴審査は、NASBA(米国公認会計士協会)内の審査機関、または民間の学歴審査機関が行います。
受験する州によって利用する学歴審査機関が異なります。
以下の州で受験する場合は、NIES(NASBA International Evaluation Services)という機関があなたの学歴を審査します。
- アラスカ
- ニューヨーク
- ワシントン
- モンタナ
一方、以下の州で受験する場合は、FACS(Foreign Academic Credentials Services, Inc.)という機関が審査します。
- グアム
出願州をまだ決めていない人
どの州で受験するかまだ決めていないのですが…
受験州が未定でも学歴審査はできます。
「Undecided Jurisdiction(受験州未定)」として、NIESに申し込みします。
学歴審査の手数料
受験州が決まっている場合のNIESの学歴審査の手数料は$225、受験州未定の場合は$350です。
FACSは$100。
学歴審査の流れ
審査の流れは、つぎの2つのタスクを同時に進めます。
- オンライン申し込み
- 卒業・成績証明書の手配(取り寄せと送付)
学歴審査の申し込みはNIESもFACSもオンラインで行います。
申し込みの内容は基本情報ばかりなので迷うことは無いでしょう。
申し込みと同時、または申し込みを済ませた直後にあなたの出身大学から英文の卒業証明書と成績証明書を取り寄せます。
英文の卒業・成績証明書が用意できない場合
もし大学が卒業・成績証明書を英訳してくれない場合、NIESが翻訳サービスを提供しているので利用しましょう。(2022年2月現在)
翻訳の手数料は1ページあたり$68~$87。
ちなみにFACSは翻訳サービスは行っていません。
なので、英文の成績表が入手できないけどグアムに受験申請をする、という人は次の流れになります。
- 大学から成績表を2通入手
- 1通を開封して民間の翻訳業者へ翻訳依頼
証明書発行の注意点
証明書の発行の際にいくつか注意する点があります。
- 厳封する
- パスポートの名前と同じかどうか確認
- 2通発行しておく
- 卒業証明書も発行しておく
厳封:
証明書が入った封筒は必ず厳封するよう大学側に手配してください。
厳封とは封筒の口に大学の印を押すことです。
封を切られていないことの証明、成績表・卒業証明書が第三者に改ざんされていないことを明示するために厳封が必要です。
パスポートの名前と同じか確認:
パスポートと成績・卒業証明書の名前が同じかどうか確認してください。
大学からの書類が旧姓表記であれば、現在のパスポートの名前と姓が違うことになります。
大学の書類とパスポートの名前がちがう理由を学歴審査機関に説明する必要があります。
たとえば結婚によって姓が変わった場合、英訳した婚姻証明書を提出します。
英訳した婚姻証明書:
日本で婚姻証明書に該当するものは以下の2つです。
・婚姻届受理証明書
・戸籍謄本
このどちらかを学歴審査機関に提出。
いずれも役所で入手します。
英訳は民間の翻訳業者に依頼することになります。
翻訳証明(アポスティーユ)もしてもらいましょう。
2通発行しておく:
1通は審査機関への送付するため、もう1通は自分で閲覧するためです。
後述のUSCPA予備校の無料査定を利用する時などに自分閲覧用があると便利。
また、もし英訳を自分で手配しなければいけない場合は3通目も発行しておいても良いかも。
卒業証明書も発行しておく:
受験だけであれば、卒業資格が必要でない州も多くあります。
しかし、ライセンス取得のためにはほとんどの州で卒業していることが条件になります。
将来のライセンス取得を見すえて卒業証明書も学歴審査にかけておいてなんの損もありません。
NIES ID
NIESで申し込みをした人は、郵送書類に「NIES ID」を記載しておくと、よりスムーズに処理が進みます。
とくに結婚などの理由で姓が変わった人は、NIES IDを必ずで書いておくべきです。
NIES IDは、NIESのログインページから確認できます。
学歴審査の有効期限
追加の書類をNIESやFACSから求められたら1年以内に提出します。
1年以内に提出できない場合は、手数料の支払い含め、またイチから申し込みのプロセスをはじめなければいけません。
単位が足りない場合
成績証明書を提出した結果、単位が足りないことが判明することもあります。
追加の単位を取得し、1年以内に成績証明書を提出します。
もし1年以内に提出できなければ、またイチから申し込みのプロセスを開始しなければいけません。
学歴審査っていくらかかるの?
学歴審査に必要な費用をまとめます。
- 卒業・成績証明書発行の手数料 無料~1,000円
- 学歴審査料 $100~$350
- NIES翻訳 $68~$87/ページ
- 郵送料 2,000~4,000円
英文の証明書が用意できない場合は高くなりますが、おおむね合計で2.5万~5万円。
もしグアム受験で、かつ翻訳も必要ない場合は1.5万円くらいに抑えられる。
学歴審査はいつやるべきか?
USCPA試験の勉強スタートと同時に行います。
学歴審査のプロセスはめんどくさいので、さっさと済ませてしまいましょう。
オンライン申し込みは一瞬で終ります。
ただ、大学を訪問して卒業・成績証明書を入手したり、役所の書類や翻訳の手配は、時間・お金・メンタルを地味に消耗します。
勉強に集中できる環境を早く作るために学歴審査はすぐに取りかかるべきです。
勉強開始と同時に学歴審査は進める。
学歴審査はめんどくさいですが、この「めんどくさい」ことも立派な参入障壁のひとつ。
学歴審査を通過すれば、ライバルがひとり減ると思えばやる気も起きてくるものです。
無料学歴審査サービス
プロアクティブとTACが簡易的に無料で学歴審査をしてくれます。
正式な審査ではありませんが、NIESやFACSに審査費用を払う前にほぼ正確に学歴要件を満たしているかどうか分かります。
プロアクティブ「成績証明書無料査定」
TAC「受験資格取得状況診断サービス」
まとめ
- 学歴審査とは米国以外の大学で取得した学位を審査すること
- 受験するためには必須
- アラスカ、ニューヨーク、ワシントン、モンタナで受験する人はNIESという審査機関を利用
- グアムで受験する人はFACSという審査機関を利用
- 学歴審査はオンラインで申し込む
- オンラインでの申し込みと同時に出身大学から英文の成績・卒業証明書を入手する
- 成績・卒業証明書は、厳封されていること、パスポートの名前と一致していることを確認する
- 学歴審査は試験勉強開始と同時にさっさと済ませる
余談になりますが、学歴審査の結果、会計科目があと一科目だけ足りない、とか、ビジネス科目が二科目だけ足りない、といったことがあるかもしれません。
1~2科目だけ必要という場合、CLEPというアメリカのオンラインプログラムで一科目あたり$89で履修することが可能。USCPA予備校よりも割安、単位認定試験もすごくカンタン。